2017-11-25

UK - London - Harrington & Squires

ついに、楽しみにしていた活版ワークショップの日!

わたしの友達にはすでにおなじみだけれども、わたくしとっても活版印刷に惹かれるんです。なぜか。

活版印刷とは。
凸版印刷の一種で、金属や木に文字を彫り込み判子状にしたもの(活字)を並べて文章にした板(活版、組版)を作り、それに塗料を塗って印刷すること。また、その印刷物。鉛版・線画凸版・樹脂版などの印刷も含めていう。活版刷りともいう。(Wikipediaより)

日本でも名刺を作ったり、カードを作ったりするワークショップに行ったりしていたのだけど、それだけでは飽き足らず、ならば習いたい人から習おう!と思って今回ロンドンに行ったわけです。

Harrington & Squires という、女性二人のデザイナーがやっているアトリエとの出会いは、数年前に青山のポールスミスでやっていた『Type from London』というレタープレス(Letterpress)のエキシビジョンがあって、そこで一目惚れした作品を買ったのが最初。


エキシビジョン自体も、ロンドンから6つの工房の作品がきていて、2回も3回も行ってしまうくらい、惚れ込んでしまったのです。



この日もOvergroundに乗り、Gospel Oakという駅で降り、散歩がてら歩いて行く。
お店までは距離があるけれど、町並みを見るだけでも楽しいので問題なし。

"HOPE"




こういう小道にグッときちゃう。



早く着いてしまったので、お店まで目と鼻の先のカフェで飲みながら待つ。外が寒かったのであったまるー。



アトリエ兼ショップの外観はこんな感じのとっても細いビルで、The Corridorと呼ばれています。



ドアを入ると手前には作品のカードが売っていて、その奥に活字の棚がたくさん!



ビルは3階建てで、そのすべてを使って作業しています。
10時から17時まで、丸一日かけてやるそのワークショップは、1日2人までで行う少数精鋭!2人のデザイナーがみてくれるので、ほぼマンツーマン。
もう1人はイギリス南部のワイト島から来た素敵な女性でした。

まずは3階に上がってエプロンをつけ、みんなで自己紹介と、h&sの歴史と由来を聞き、簡単なレクチャー。
そしてちょっとの間、他の生徒さんの作品をみたりしながら、どんなものを制作したいかを考える。あんまりきちんと考えて行かなかったので、なかなか案が浮かばず。

でもやってみたいことはあって、日本のワークショップではなかなか体験できないことをやりたかったのです。

<やりたかったこと>

  • 木活字と金属活字の組み合わせ
  • さまざまな大きさの活字の組み合わせ
  • 多色刷り
  • 印刷機の使い方とか細かい調整を学ぶ

なんとなくこんな感じで、というのが決まったら、2階に降りて作業開始!

アルファベットの活字はこのように分類されています。



木活字と金属の活字をたくさん所有しているので、選び放題。
やばい、決められない。



ツールもきちんと整頓されている。さすが女性2人。
当然のことながら、日本語と使う言葉が違うので、英語で何というのかも勉強になりました。



まずは小さい文字から拾っていく。この辺は日本でのワークショップ巡りで慣れていたので結構スムーズ。
なるべくたくさん拾いたいという、貧乏根性から、たくさんの文字数にしてしまいました。。。



黒、赤、青の3色を使って刷ることに決定。
必要なものをすべて揃えました。
木活字とユニオンジャック、金属活字を組み合わせることにしました。



と、ここでランチタイム。

このワークショップ、なんとランチ付きなのです。
Printers Lunchと呼ばれるランチは、サンドイッチとチーズ、サラダ、ジュース。簡単といえば簡単なものだけれど、憧れの場所でみんなで食べるランチは格別。
赤いチェックのランチョンマットがかわいい。彼女たちのセンスが好き。



しばしおしゃべりをしながら、ランチを食べ、いよいよ印刷へ。

まずは黒から。



テストで印刷したときにできたもの。偶然の産物だけど、なんかいい感じになった。


実験(Experiment)がいいものを産んだりするのよね、って言っていた。
ふむふむ。メモメモ。

次に赤。
どの位置に置くかを事前にチェック。



大体の場所が決まったら、トレーシングペーパーに印刷をして、位置を調整していく。
なるほどね、便利!



まずは、LONDONの文字を印刷。




そしてそのあと、ユニオンジャックの赤を刷る。
Adana 8x5 という卓上の印刷機を使うので、印刷面が小さく、赤の文字と国旗の赤は別々に刷らないといけなかったのです。

最後に、場所を厳密に調整しながら、ユニオンジャックの青を刷る。
これもまたExperimentで、というか、失敗して国旗がずれたりしたものもあったけれど、それはそれで味があっていいものになりました。



アトリエにAdanaは2台。ほんとに細いビルでしょ?
所狭しと、道具やインク、紙などが棚に収まってる。
でもこれくらいの広さでできるんだなぁ。いいなぁ、アトリエ。


インクを落とすのに油を使うので、手につかないように使う手袋。
生徒さんや自分たちの作品も飾られてる。


7時間のワークショップはほんとにあっという間に終わってしまいました。
また機会があったら、受けたいな。

ChrissieとVickyの2人は、デザインを仕事にしていた人たちで、元同僚。
 「わたし、デザインの素質がないんですよー」
って言ったら、
 「Letterpressは、グラフィックデザインとも違うから、そういう人の方が違う視点でいいものを作れたりするのよ」
って言ってくれました。

ずっとそこにいたいくらいだったけど、閉店だしそうもいかないので、いくつかカードなどを買って、あとは活版に必要なものがどんなとこで買えるのかといった情報を収集して、お店を後に。

満たされた気分にひたりながら、この日はNotting Hill Gateで降りてぷらぷらして、カフェで軽く夕飯。もちろんお酒も。



それでもまだ時間が早かったので、Airbnbのある駅に戻って、パブで一杯。
h&sでもらったリストを眺めたり、作品を見てニヤニヤしながら過ごして帰りました。


もう2年近くも前になってしまいそうだけど、思い出してもやっぱりわくわくするので、ちょっとずつでいいから、何かわたしも形にしていきたいなぁと思うのでした。

そして、また彼女たちのところへ遊びに行きたいな。



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